江戸時代末期の文久元(1861)年に来日したイギリス人の報道画家、チャールズ・ワーグマン(1832年〜91年)の没後130年忌に際し、命日である2月8日、中区山手の横浜外国人墓地で神奈川県立博物館の学芸員や郷土史愛好家ら有志10人ほどが参列し、ひそやかに墓前祭が行われた。
ワーグマンは、イラストレイテッド・ロンドンニュースの美術特派員として、中国を経て日本へ。本国に記事を送る仕事をしながらも、油絵や水彩画などを描き、高橋由一や五姓田義松など日本人に絵画の指導をしたことで知られる。晩年まで横浜で暮らし、山手の外国人墓地に眠る。
本業のほかにも漫画雑誌『ザ・ジャパン・パンチ』を発行。その大きな鼻のイラストは広く知られ、神奈川県立博物館のキャラクター「パンチの守」にも採用されるなど、現在も横浜に息づいている。
墓前祭に参加した郷土史調べを趣味にする三浦清さんは「以前は『ハマの春はパンチ祭りから』と横浜に春を告げる馴染みの行事だったワーグマンの墓前祭は、少しずつ忘れ去られつつある。開港の地の近代史を飾った一人として伝えていきたい」と話していた。
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