中区大和町の放課後デイサービス「キッズコネクション」の学生らで構成される「Teamあいりペイント」(鴨下琳斗代表)は、18歳以上29歳以下を対象とした温暖化対策を表現する国際動画コンペティションの最終選考に進出し、2月15日から決戦投票に臨んでいる。投票期限は2月28日まで。得票数が一番多い作品が表彰される。
今回の動画コンペティションは、持続可能な社会の実現を目指す1750以上の自治体で構成された国際ネットワーク「イクレイ」が進める「1.5℃ライフ共同キャンペーン」の一環。このネットワークに参加する横浜市は脱炭素化を目指す「Zero Carbon Yokohama」の実現を掲げておりこのほど、フィンランド・トゥルク市の取り組みと連携することで同事業の初開催に至った。実施にあたり横浜市は、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ、RCE横浜若者連盟と実施協定書を結び、協働している。
動画は、地球温暖化対策に対する取り組みや考えていること、アクションを起こしていることをテーマに市内在住・在勤、通学または市内の団体で活動している18歳以上29歳以下が対象。グループの参加も可能だ。国際的な動画コンペのため、複数言語で表記することが条件となっている。最終選考では、トゥルク市から10作品、横浜市から3作品が動画配信サイトYouTubeに公開され、専用ウェブサイト(https://www.turku.fi/en/carbon-neutral-turku/its-time-choose-winner-15-degree-life-video-campaign)にまとめ、公開されている。投票は、YouTubeの「高い評価」ボタンのクリック数で決められる。2月28日まで。表彰は、横浜から1作品、トゥルク市から3作品が選ばれる。1月15日までが締切となった第1次募集では、横浜市から5団体7作品が応募。その中から3作品が最終選考に進んだ。
得意分野を生かし役割分担
今回の動画コンペは、主催者側からキッズコネクションに今回の取り組みの紹介があり、「若い人にもっと気候変動に関心を持ってもらいたい」と同施設で活動する「Teamあいりペイント」が参加。このチームは、同施設で動画編集などデジタル分野の指導を行う個人事業主・鴨下代表と横浜総合高校2年生の太田雄介さん、そして同施設の指導員でイラストレーターとして活動する個人事業主・小堺愛里さんなど全5人のメンバー。動画撮影や編集は鴨下代表と太田さんを中心に担当し、イラストは小堺さんが手掛けた。
1次選考では、ペンギンのキャラクターが登場し「できることはたくさんあるはず。みんなでアイディアを出し合いカーボンフリー実現を目指します」など30秒弱の動画で呼びかけた。イラストでわかりやすく表現している点や、この動画に関する問い合わせが多くあった点から最終選考に選ばれた。最終選考に向けては、3分間の動画を作成。ペンギンのキャラクターは変わらず5人それぞれがストーリーを考え、オムニバス形式で動画を構成した。
また、一次選考とは異なるチャレンジも。それは、ディスレクシア(読字障害)がある鴨下代表が「イラストのみで構成することでこの動画が何を表現しているのか、考えてほしい」とあえて文字を1文字も入れず、イラストのみで表現する動画にした。太田さんは「動画作成に携わることで、地球温暖化の影響、ゼロカーボン実現の大切さについて理解を深められた」と話し「この動画を通じて、多くの若者が気候変動に興味を示してもらえたら嬉しい」と思いを語る。同チームは、動画コンペ以降も地球温暖化対策を呼びかける活動を続けていく予定だ。
※1.5℃ライフ共同キャンペーンとは、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」に基づき、「世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも1.5℃高い水準までのものに制限するための努力を継続する」ための運動。
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