神奈川県民ホールのオルガン・アドバイザーを務める 中田 恵子さん 鎌倉市在住
オルガンに魅せられて
○…9日のオルガン・アドバイザー就任記念リサイタルは完売という盛況ぶり。その公演では、中世から現代まで受け継がれているグレゴリオ聖歌が基になったプログラムを演奏する。長く続くコロナ禍、音楽を通して「心の安らぎを感じてもらえたら」と話した。
○…県民ホールはこれまでもリサイタルを開くなど、親しみのある会場の一つ。小ホールには、国内公立ホールとしては最も歴史のあるドイツ製のオルガンが設置されている。今回打診を受け「とてもうれしかった」と目じりを下げた。アドバイザーは、公演プログラムなどへの助言や出演、またメンテナンスのために定期的な弾き込みなどが役割だ。「(県民ホールのオルガンは)観客との距離が近く、奏者の様子が見て取れます」と、その魅力を語る。
○…茨城県つくば市の出身。現在は鎌倉で暮らす。姉を追って3歳からピアノを始め、大学受験では悩み抜いた結果、音大ではなく東京女子大へ。そこで運命的な出会いがあった。「学内の教会にパイプオルガンがありました。衝撃的でした」とオルガンに魅了される。一念発起し、卒業後は東京藝術大学のオルガン専攻へ。大学院まで進み、さらにフランスで3年間学んだ。「演奏する音楽が生まれた地の文化を肌で感じることで多くの学びがあった。とても楽しかった」と話す。
○…歴史のある楽曲を演奏するにも、作られた時代背景など資料を読み込む必要がある。知識は演奏技術と裏表の関係という。そのような奥深いオルガンの魅力を一人でも多くの人に伝えていくため、身近なホールのオルガン・アドバイザーの肩書を得て「皆さんが『聴きたいな』と思ってもらえるよう、楽しい企画を考えていきたいですね」と話した。
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