呉服一筋50年-。大手百貨店の呉服担当として長年活躍した池田喜政さん(70)=中区上野町在住=が1月8日、自宅近くに「きもの相談処 いけ田」をオープンした。自身の経験を生かし、着物の相談や魅力発信の場にしていきたいと考える。
池田さんは横浜立野高校卒業後、横浜高島屋に入社。配属先の呉服売場では、振袖受注会の時期を見直すなど業界の常識を次々と覆してトップセールスを上げ、バイヤーとしても活躍。純国産着物の一貫生産を手掛けるなど、国産繭の生産継続にも尽力した。横浜絹フェスティバルの企画運営や講演、外国人の着付け体験など、日本文化である着物を若者や海外に発信する社会貢献活動も積極的に行ってきた。
中でも20代から全国各地の織や染などの産地を巡りその歴史や伝統技術を学ぶことは、退職後の今もライフワークになっている。しかしコロナ禍で染色作家や職人、仕立て、着付けなど、着物に関わる全ての分野で多くの人たちが困難に直面している状況を目の当たりにし「着物のことを何でも相談できる場を作り、微力ながらその魅力を伝えることができたら」と決意。父が以前オーダーメイドの靴屋を開いていた場所を改装し、相談拠点としてオープンした。
きものを宝に
「最近は遺品整理などで着物を手放したいという人が増えているが、ぜひご自身で着て欲しい。着物は知れば知るほど、着れば着るほど好きになる」と池田さん。自宅に眠る着物が「宝物」になればと、素人には分かりにくいとされる着物の正しい知識や価値を伝え、着る楽しみを多くの人に伝えたいと考える。
店内では着物の鑑定やお手入れ方法などあらゆる相談を無料で受け付けるほか、初心者からプロまでレベルに合わせた講座「きもの塾」や産地ツアー(有料)を開催。今後は妻・典子さん(68)が初心者向けの着付け教室や着物の生地を使った小物作りのワークショップなども開く予定だ。
池田さんは「まだオープンしたばかりなので、来店者の声を聞きながら相談に応じていきたい」と話している。
営業時間は午前10時から午後5時まで。火・水曜が定休(臨時休業あり)。相談は事前予約が必要。きもの相談処 いけ田【携帯電話】080・6585・9563か【メール】yi-kimono.28.go@outlook.jpへ。
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