港の見える丘公園の拡張部として整備を予定している旧横浜税関山手宿舎跡地=中区山手町99番4ほか=から、旧米国海軍病院の建築基礎が発見された。
横浜市が宿舎跡地を国から購入し、緑地の整備に向けた埋蔵文化財の発掘調査で分かった。調査は2020年12月から21年3月までと、同7月から同11月まで行われた。
この遺構の面積は約500平方メートルで、建物の基礎・床面・ライフラインが良好に残っており、当時の煉瓦建築技法や技術を理解する上で貴重な遺跡。白一色のタイル壁や「U.S NAVAL HOSPITAL」の印が施された磁器片など、米国海軍病院ならではの特徴を示す遺構・遺物が発見された。
市によると、この海軍病院は、地下1階、地上2階の古コロニアル様式の建物だったという。1872(明治5)年に米国東洋艦隊のための医療施設として建設され、今回発見されたのは1909(明治42)年に建て替えられた2代目のもの。その後、23(大正12)年の関東大震災により倒壊、その後は再建されなかった。
今後は、公園整備と遺構の保存のため3月から埋め戻す予定だが、市は遺構の一部を活用することについても検討している。市の環境創造局公園緑地整備課は「有識者や地域住民の方々の意見も聞き、今後の公園整備計画を策定していきたい」と話していた。
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