西区平沼に「横浜やんけ将棋道場」を開いた 渡辺 健弥さん 川崎市在住 52歳
将棋で世代超え関係築く
○…二十歳の頃から漠然と思い描いた夢。小学6年生から中学3年生まで道場に通い詰めた時の思い出を胸に、23年間務めた化粧品会社を退職し「多世代の交流の場となる道場に」と5月14日、西区平沼に将棋道場をオープンした。「アクセスのいい横浜駅の近くで開設できた。多くの人に立ち寄ってもらい、地域に根差した道場にしたい」と思いを語る。
○…戸塚区出身。将棋好きの父の影響で幼い頃から、将棋や囲碁、麻雀、トランプなどゲームに親しんだ。小学校6年生の時に父に連れられ、幼馴染でライバルの瀬川晶司棋士と一緒に「港南台将棋センター」で道場デビュー。「瀬川くんに負けたくない。強くなりたい」という気持ちを原動力に、放課後も休日も通い詰めるほどのめり込んでいった。一回り以上離れた大人たちに囲まれ、ライバルと切磋琢磨し合う日々。「今思えば、あの時の交流で世代を超えた関係が築けた」と懐かしむ。
○…ライバルの瀬川棋士は、奨励会を年齢制限で退会した後、特例で実施されたプロ編入試験に合格し棋士となり世間で話題を集めた。瀬川棋士の著作で映画化もされた『泣き虫しょったんの奇跡』では、ライバル「健弥くん」として登場、業界で有名になった。「その知名度を生かし、道場を成功させて、将棋で食べていけるということを証明したい」。大学生と中学生の3人の子どもと妻との5人暮らしで「生活のためにも」と父親の顔ものぞかせる。
○…将棋の魅力を尋ねると「運ではなく実力勝負なところ」ときっぱり。子どもの習い事、リタイア後の頭の体操など動機は自由。「世代問わず誰でも挑戦できる。横浜から藤井聡太君を破るような人が誕生したらいいな」と先を見据えた。
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