トークイベント「マリア・ルス号事件から150年」で登壇する 平沼 五郎 成基(なるき)さん 西区在住 42歳
大江卓の偉業に光を
○…明治5年、ペルー船が横浜港に入港したことを発端に起こった「マリア・ルス号事件」。船内で奴隷扱いされていた清国人を救うため、当時、神奈川県権令(県副知事)を務めていた大江卓が国際裁判を起こし清国人を解放した。「横浜で起こったこの事件を多くの市民に知ってもらいたい」。事件から150年の節目にトークイベントを企画した。イベントに向けて、髪とひげを伸ばし大江卓になりきり、「いつかはマリア・ルス号事件が教科書に載るように」と夢を描く。
○…役者活動をしていた2009年、横浜開港150周年を記念し、事件を題材にした舞台の主演・大江卓役の話が舞い込んだ。豪華な出演陣に巨額な製作費。千載一遇のチャンスだと、二つ返事でオファーを受けた。だが蓋を開けてみると、すべて嘘。主演のみならず、脚本や資金集め、会場・衣装の手配まですべて1人で行うことに。それでも「大江卓なら絶対にあきらめない」と自身に言い聞かせ奮闘。舞台後の関係者らへの対価の支払いまで計2年2カ月、役に入り込み大江が体にしみ込んだ。「僕にとって大江卓は人生の恩師です」
○…(株)五六(ふのぼり)の代表取締役社長。2017年に創業者である祖父・五郎さんへの感謝や敬意を形に残すべく襲名した。「会社の経営が苦しく、立て直しを図っている時に、祖父の想いに触れ、気持ちが育っていった」とにっこり。西区平沼の地を拓いた「平沼家」を守る覚悟を名に刻んだ。
○…慶応義塾大学を卒業後、ベンチャーの商社や広告代理店に勤務。激務の日々が続き身体を壊すなど数々の試練があったが、同じだけ「縁」もあった。「恩返しはキャッチボール。地域に対しても受けた恩を返していきたい」と語った。
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