馬車道商店街協同組合がこのほど「かながわ商店街大賞」を受賞した。ガス灯をはじめ「発祥の地」という歴史や文化の地域資源を生かした催しや、インバウンド対応の案内板を設置している点などが評価された。
かながわ商店街大賞は、県と経済団体による実行委員会が優れた取組を行なう商店街を表彰するもの。11回目の今回は県内13商店街から応募があった。馬車道商店街は2015年に準大賞に選ばれたが、大賞は初。特別賞に、中区からひらがな商店街ウェストアベニューが選ばれている。
地域資源を活用
同商店街には、約90店が加盟。信濃屋や平安堂薬局、和菓子松むらなどの創業100年以上の老舗店や、メディアに取り上げられる話題の店も多い。関内ホール、県立歴史博物館などの文化施設が並ぶほか、ガス灯や近代街路樹、日刊新聞など、馬車道には様々な「日本初」があり、記念碑が点在。これら既存の地域資源を活用した取組が高い評価を得た。
中でも昨年150周年を迎えたガス灯は、馬車道のシンボルの一つ。馬車道通り〜海岸通り〜山下公園通りの間は、本物のガス灯が並ぶプロムナードが整備され、温かい灯りを楽しみながら夜の横浜の街を散策できる。横浜の歴史的資源であるガス灯の魅力をPRするために、毎年発祥記念日である10月31日に「ガスライトフェスティバル」を開催し、点灯式やライブを行っている。
また日本初のアイスクリーム「あいすくりん」が製造販売された地として毎年5月9日の発祥記念日にはアイスクリームを来街者に無料で配り、名物イベントに。東日本大震災以降は、チャリティー募金をした人を対象に配布している。
本物のまちづくりを
一方、二次元コードを読み込むと店舗情報が英語で表示される案内板を商店街の各所に設置するなど、今後のインバウンド需要を取り込む外国人観光客への対応を積極的に図るなど、時代にあった取組も。コロナ禍では、県や市の補助金を活用したプレミアム付商品券の販売や、国の「がんばろう!商店街事業」では、買い物客が人力車に乗れるイベントやストリートシネマ=中面で紹介=を企画するなど積極的に取り組んだ。
街なかに点在するアート作品や馬車、舗道の赤レンガ、歴史的建造物など本物のまちづくりを追求する。今後もハード・ソフトの両面から総合的にまちづくりを推進することが期待されている。六川勝仁理事長は「長年行ってきたことだが、改めて評価いただき嬉しい」と話し「まちづくりに終わりはない。馬車道だけでなく、近隣商店街と共に盛り上げていけたら」と力を込めた。
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