水素と軽油の混焼エンジンを搭載する世界初の小型旅客船「ハイドロびんご」が、4月22日から横浜港で運航されている。大幅なCO2の排出削減など環境負荷の軽減が期待される次世代の旅客船として注目されている。
導入されたハイドロびんごを運航するのは(株)ポートサービス(齊藤宏之代表取締役社長)=中区山下町。横浜航路の運航は、今年の12月ごろまでの毎週土・日曜日と祝日の期間限定。横浜ハンマーヘッド内の桟橋が発着場所となっている。
同船はジャパンハイドロ(株)=広島県福山市=が保有するもので、両社がパートナーシップを結んだことで運航が実現。水素軽油混焼エンジンの船が横浜港を走るのは初。今後は「Kawasaki 超 工場夜景クルーズ」なども運航予定だ。
21年7月に竣工。航海速力は23 ノット。全長は19・4m、幅5・4m、重さ19トン。旅客80人まで収容可能。水素軽油混焼エンジンは、これまでのディーゼルエンジンと比較して最大50%のCO2排出削減を実現するという。
ポートサービスが運航するシーバスゼロとシーバスエースの造船をジャパンハイドロ社の関連グループが行っていたことから、22年にジャパンハイドロ社から横浜での運航について打診があったという。同船は同年10月に東京でも一度試運転が行われている。
現在、横浜には水素の供給地点がないため、期間限定のクルーズは軽油のみで行われている。水素供給は福岡県の専用施設で行う必要があり、同社担当者は「今後の課題になる」と話していた。
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