本牧 気まぐれ歴史散歩 73 『本牧にあっても山手警察署』
日本の警察は、明治7(1874)年に当時の内務省に警保寮が設置されてから第二次世界大戦終戦まで、内務省警保局と道府県知事によって管理運営されていましたが、外国人居留地を有する神奈川県には、全国に先駆け、明治4(1871)年に「取締(ポリス)」が組織されました。これが現在の警察の始まりです。
山手警察署は、明治10(1877)年に横浜区内の6つ警察署の1つとして創設されました。その後、横浜水上警察署を加えて7つの警察署となりましたが、当時の山手警察署は山手汐汲坂上あたりにあったようです。
しかし、関東大震災により山手警察署をはじめとする各警察署は倒壊してしまいました。移転を余儀なくされた警察署もあり、吉野町に移転した寿警察署は弘明寺駅方面へ移転した昭和58(1983)年に南警察署と改名となりましたが、伊勢佐木町・加賀町・山手・戸部・神奈川・横浜水上の6つの警察署は、今も伝統ある名称をそのまま残しています。中区にだけ4つの警察署があり1つも中警察署と改名せず、中区から分区して80年が経っても西警察署と改名せず戸部警察署の名称のまま、本牧にあっても山手警察署というのは、そのような経緯があってのことではないかと考えられます。
少しだけ長居した山手警察署の裏手の道を歩き出し、横浜インターナショナルスクールの過ぎたところを左折しようかと思います。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
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