新年にあたり菊地健次西区長にインタビューを行った。区制80周年を機に地域への愛着醸成に注力する意向を示した。 (聞き手/清田義知)
--デジタル区役所のモデル区として2年。昨年の進展は。
「具体的な成果として2つ。1つはマイナンバーカードを活用した申請書の自動作成システムです。戸籍課と税務課に導入しました。手続きに要する時間の短縮につながっています。もう1つは弁護士による無料のオンライン法律相談。今まで対面のみでしたが、オンラインだから利用したいという声もあり、新たなニーズの掘り起こしができました。マイナンバーカードを活用した申請書の自動作成は、他の区役所でも導入が進んでいます。一方で、例えば高齢の方やスマホを持っていない方などデジタルを活用しづらい方々にも利用しやすい区役所として、従来の申請方法も並行して進めていきます。また、新たなデジタル技術の活用を推進するとともに、引き続きPRを行い、区民の皆様の利用促進を図っていきます」
--フルスペックの区民まつりでした。
「延べ3万8千人が訪れました。関係する皆様が一体となり力を合わせて作り上げていく、それによって西区への愛着が生まれる、こういった取組の大切さを改めて実感しました」
--にこまちプラン(西区地域福祉保健計画)の進捗状況は。
「昨年は4期(2021年度〜25年度)の3年目。コロナの5類移行もあり、地域活動の回復スピードがアップしています。各地区でそれぞれの良さを発揮した活動がありますが、これからは西区全体で情報を共有し、地域同士の結束を強めていきたいと思います。地域子育て支援拠点スマイル・ポートとの連携もポイント。西区は出生数に占める第1子の割合が市内において高い傾向があることから、子育て家庭が地域で孤立化しないよう施策を進めていきます。共働きが多い子育て世代に配慮した支援にも重点を置いています。
地域活動の担い手不足は大きな課題ですが、デジタル技術を活用することで情報共有や判断・決断しやすい環境になり、負担感の軽減になります。『地域づくり大学校』の参加者など、地域活動に積極的な人たちの発掘も重要。神奈川大学の学生とも連携し、あらゆる世代に担い手を広げていきたいと思います」
--来年度の区政の重点施策は。
「区制80周年を契機につながりづくりとにぎわいづくりにしっかりと取り組みます。前者は、魅力再発見のスタンプラリーを実施。様々な事業の企画段階から、子どもから大人までが参加し、新たなつながりが生まれています。後者では、個店などを紹介する冊子を製作します。また、掃部山公園で夏に行われる虫の音を聞く会など、伝統ある行事も80周年と連携させます。これら80周年事業は、一過性のものにせず、地域に一層の愛着を持ってもらい、将来のまちづくりにつなげていかなければなりません。GREEN×EXPO2027の効果的なPRやSDGsの取組も重点施策。環境問題を考える契機になればと。そのほか崖や河川が多い西区における防災のリスク管理にも重点を置いています」
--区制80周年。区民へのメッセージを。
「戦争で焼け野原になったまちを先人の皆様が復興させてきました。私たちは責任を持って90年、100年へと、にぎわいのある西区をつないでいかなければなりません。そのためには人と人とのつながりを強固にしていくことがとても大切だと思います。この目標を確実に達成するため、今年も職員一同、全力で取り組んでまいります」
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