横浜DeNAベイスターズは昨年、25年ぶりのリーグ優勝、日本一をめざしたが、リーグ3位で幕を閉じた。「我々の今までの取り組みの延長線上には、優勝はなかったとわかった」。チーム編成部門のトップを担うチーム統括本部長の萩原龍大さん(46)はそう語る。萩原さんに23年の振り返りと今年の展望について聞いた。(聞き手/本紙記者・岩田潤)
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――まずは昨年の総括をお願いします。
「昨年はシーズン前のキャンプ前夜に『全員が優勝すると心に決めて臨もう』という話をしました。前半戦は順調で、交流戦も初優勝し、首位にも立ちました。このまま行ければ、と思っていたのですが、夏頃から失速してしまいました。
特に、大事な試合をいくつか落としてしまったことがシーズンを終えての結果に表れたと思います。心に決めても優勝できなかったということは、我々に足りないものがあったということがわかったシーズンでした」
――今のままでは優勝できない、と。
「今のベイスターズは本当に良いチームだと感じています。『good』なチームなんです。ただ我々は『great』なチームにならないといけない。そのためにさまざまな部分を変えていく決意ができました」
米国からバウアー獲得に沸いた一年
――2023年のビッグニュースとしてはメジャーリーグからサイヤング賞投手のバウアー選手獲得がありました。
「限られた予算の中で、どうやってクリエイティブな提案ができるかというのが課題でした。年俸の他の部分の報酬として球団初の個人ファンクラブ設立というのも、その中の一提案でした」
――萩原さんは23年シーズンから編成トップに就きましたが、心境の変化はありましたか。
「特にドラフト会議はその場での決断の連続なので苦しかったですね。今まではあの場で決断する役割ではなかったので。ギリギリのところで決めるあの現場の緊張感は今までの数倍でした」
――ただ、そのドラフト会議では1位指名でENEOSから度会隆輝選手を獲得できました。
「3球団競合になってしまったので心は重かったですが、三浦大輔監督が見事引き当ててくれました。その時は人生最大のガッツポーズをしました(笑)。彼は能力はもちろん、物怖じしないマインドで周りを巻き込む魅力がある。上位打線で暴れてほしいですね」
――24年の体制として、コーチの体制が大きく変わりました。
「オフェンスチーフコーチ、ディフェンスチーフコーチというポジションを新設しました。メジャーリーグでも攻撃と守備を分ける考え方は一般的になっているので、いつか取り組みたいと考えていたところ、タイミングよくコーチ陣からも変革について声が挙がってきました。石井琢朗さんご本人の提案もあり一塁コーチを兼任してもらうことにしました」
――今年のベイスターズをどう見ていますか。
「編成がまだ終わっていない段階なので、まだこれから体制を整えていくところです。
ただ、ひとつ言えるのは毎年仮説を立てて検証し、より良いチームを目指していることは確かです。『great』なチームに近づくべく、ひとつひとつチャレンジしていきたいと思います」
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