「パシフィコ横浜」を運営する(株)横浜国際平和会議場=西区みなとみらい=は、電機メーカーのシャープ(株)と環境衛生マネジメントカンパニーの日本カルミック(株)と3社共同で、生理用ナプキンを無償提供する実証実験を3月27日から実施している。
実験では、生理用ナプキンを1枚ずつ取り出せるシャープの「生理用ナプキンIoTディスペンサー」と日本カルミックのタッチレスサニタリーボックス「サニッコ」を女性用トイレ内に設置。来場者に生理用品の衛生的な配布から廃棄までの環境をセットで提供する。実証実験は5月31日まで行い、来場者の利用状況や満足度などの調査や機器の稼働状況を分析する。
パシフィコ横浜は「誰もが安心して利用できる場の提供」を目指している。今回、昨年から静岡県浜松市でディスペンサーを用いた実証実験を行っていることを知った施設側の働きかけにより、共同での実証実験が決まった。
衛生面に配慮
ディスペンサーは会員登録やアプリの利用なく、センサーに手をかざすだけでナプキンが1枚取り出せる。衛生面への配慮に加え、持ち去りも防止できるという。
各機器の在庫数や使用時間など利用状況が一元管理できることから、補充作業も効率的に行えるという。
「サニッコ」は、ふたに触れずに生理用品が捨てられるサニタリーボックス。抗菌・消臭効果があり、中が見えない構造となっている。多くの女性が抱いてきた潜在的な不快感を軽減できる。現在、商業施設やオフィスビル、学校などを中心に全国で約14万台が設置されている。
実証実験では、パシフィコ横浜内の4施設5カ所にディスペンサーが10台、サニッコが50台設置されている。
パシフィコ横浜の担当者は「長時間滞在することも多い施設。今まで表に出てこなかった困りごとの解決につながれば」と話していた。
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