修復を終え4月から再開した横浜市開港記念会館の館長に就任した 古賀 敬之さん 中区在勤 65歳
人脈生かし魅力を発信
○…神奈川新聞社で記者として活躍後、60歳を過ぎて神奈川大学に籍を移した。開港記念会館の指定管理者の構成団体にはどちらも名を連ねる。数多くの人物を取材し社会の矛盾を報じてきた記者としての目線、大学職員として各団体との連携や理事長を支えてきた調整力――。「これまでの経験を生かしていければ」と話す。
○…佐賀県生まれ。千葉大学で子どもの頃から好きだった歴史を専攻した。「古い街を大事にする人が増えることが地域の豊かさにつながる」。そんな思いで、関東大震災で失われた姿を復元しようと市民が立ち上がった同館と第二次世界大戦で破壊された街を地元の人々の熱意で再建したポーランドの首都・ワルシャワを重ね合わせる。「支えてくださる市民の思いを背負い、運営していきたい」と言葉に力を込める。
○…私生活では記者仲間だった妻との間に一男一女をもうけた。「仕事が忙しく、子の成長をじっくり追いかけられなかったのが悔しい」と父親の顔をのぞかせる。現在は妻と金沢区に住む。記者時代に高齢化で城ヶ島野菜を育てる人が減少していると知り、十数年前から栽培を始めた。休日は「城ヶ島野菜をつなぐ会」として奮闘。無農薬のため雑草も多い。「草刈り機の古賀と呼ばれています」と笑う。現在の楽しみは4月下旬頃のソラマメの収穫だ。
○…近年は大正や昭和の流行りを郷愁する「レトロブーム」。「若者も巻き込み、世代や時代を超えた観光振興や地域の交流の場にしていきたい」と意気込む。人の懐に入るのが上手く、「人たらし」と評されることも。そうして培ってきた人脈を大切に、同館の発展を目指す。「それぞれのポテンシャルを生かして価値を継承していきたい」
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