中区元町で時計・宝飾店を営む島峯剛さん(64)がこのほど、昨年9月に逝去した父・隆さん(享年93)の「横浜の子どもたちのために」という遺志を受け、1800万円を横浜市社会福祉基金に寄付した。
隆さんは長崎県島原出身。幼少期は恵まれた生活を送ったが、戦時中に両親が他界し一変。横浜に出て、伊勢佐木町で家業である時計・宝飾の職を得た後、野毛で独立。結婚後は4男1女を授かり、最盛期には関東を中心に34店舗を展開、事業を成功させた。「最初は野毛で御用聞きのように時計を無料で直して回り、信頼を得ていったようです」と3男の剛さん。間税会や横浜商工会議所など長年社会貢献活動にも取り組んできた。
生前「一番のごちそうは銀シャリ」と、自身が食べ物に困窮していた時代を振り返りながら話していたという隆さん。現代の子どもの貧困問題にも大きく心を傷めていたという。市役所で7月11日に開かれた感謝状の贈呈式で、市健康福祉局の佐藤泰輔局長は「貧困対策など子どもの施策に役立てたい」と話した。
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