中区にあるワイン醸造所「横濱ワイナリー」で、獣害被害からブドウを守る防除網購入費に充当するための「応援ワイン」を販売している。
同ワイナリーでは、2020年から旭区の農園でピノ・ノワールとシャルドネ品種のブドウ栽培を開始。「市民参加型の農園にしたい」とオーナー制度を導入し、オーナーの希望者は栽培作業も担ってきた。地球環境に配慮した栽培を目指し、有機JAS認証を取得しての栽培を行う。ワイン用ブドウの有機栽培は例が少なく、神奈川県内では初めての試みだ。
毎年完成が待ち望まれていたがワインを醸造するほどの実はつかなかった。苗植え付けから4年が経過し、今年はこれまでとは違い、伸びた枝にぶどうの実がたわわに実っているという。
「横浜は決してブドウ栽培の適地ではありません。それでも毎年苦労して課題をひとつずつ解決しながら、知識と技術を身につけてきたことが大きな成果になっている」と、横濱ワイナリー代表の町田佳子さん。
一方、ハクビシンやアライグマ、鳥などに実が狙われる可能性が出てきた。ブドウが実っている苗木部分に防除網を設置する費用(約30万円)を確保するため、応援ワイン80本の販売を目指す。「横浜ワインの誕生まであと1歩。後押ししてもらえたら」と町田さん。
応援ワインは、長野安曇野で収穫されたシャルドネのワイン「海と山のコンチェルト2023」(3740円・送料別)。同ワイナリーの公式HPで販売している。購入者が希望すれば収穫や醸造の経過をメールで知ることができるほか、HPに名前(ペンネーム可)が掲載される。
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