児童生徒約26万人の教育ビッグデータを活用し、教育内容の充実を図ることなどを目指し、横浜市が7月から準備を進めてきた「横浜教育データサイエンス・ラボ」が9月20日に始動した。教職員、大学、企業が一堂に会し、学校にとって有効な教育データについて議論していく。
市が教育ビッグデータを活用し、今年6月下旬から運用を開始している学習支援システム「横浜 St☆dy Navi」では、これまでに「健康観察」「授業アンケート」の回答データや、「はまっ子デジタル学習ドリル」の取組履歴などのデータを蓄積している。また、横浜市学力・学習状況調査や体力・運動能力調査の結果についても、学習支援システム上で児童生徒や教職員が確認するなど、9月の段階で約9割の学校で活用されている。
市ではそれまで、市の学力・学習状況調査や、「人の心」「社会性」などの非認知能力に関する調査研究など、事業ごとに得られたデータをそれぞれで分析してきた。それらを統合し、様々な種類のデータをかけ合わせて分析する仕組みが「データサイエンス・ラボ」。このほど始動した横浜教育データサイエンス・ラボでは、大学や企業などの専門的な知見を活かすことで、教育委員会や学校だけではできなかった分析を行うことが期待されている。教職員の課題感や求める効果を出発点として、日々蓄積されていくデータを大学や企業と協働して分析・研究を進めていく。
状況を把握し連携
20日に初開催された同ラボでは、「算数・数学の学力と意欲の分析」「子どもの心の不調をなくす横浜モデルの開発」の2つのテーマで議論が交わされた。子どもが日々抱えるストレスの度合いを可視化。最適な対策を講じるためのデータを取得し、必要な医療や各機関と連携して解決に導く方向性等が話し合われた。
教育委員会事務局教育課程推進室の丹羽正昇室長は「意見交換を通して、様々な教育課題を解決する手立てを構築し、子どもの学びの質の向上を図るとともに、よりよい学校教育を実現していきたい」としている。
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