子どもに空手を指導する傍ら、全日本スポーツマスターズ大会で2連覇した 尾形 菜々さん 中区本牧原在勤 43歳
本気の経験 未来の糧に
○…「自分を信じる」を頭の中で繰り返し、35歳以上が出場する総合スポーツ大会の空手道競技の組手で2連覇を果たした。プレッシャーを感じながら勝ち進んだ。「号泣するかと思いきや意外と冷静で。周りの方が喜んでいましたね」。次なる目標は、技と内面に磨きをかけ、2027年に日本で開催する世界大会で優勝することだ。
○…物心つく前から父の道場が遊び場だった。4歳から空手を始め、小中学校では全国優勝、高校ではインターハイに出場。「勝つことが当たり前。負けると父から怒られるし、恥だと思っていた」。空手のない生活を送りたいと高校卒業後は距離を置いた。その後、結婚・出産を経験。約5年のブランクを経て23歳で再開したきっかけは、父の道場で試合に敗れ悔し泣きをする子どもが輝いて見えたこと。当初は練習だけだったが、ひょんなことから出た大会で結果を残し「もう一回本気でやってみよう」と本格的に競技に復帰した。
○…入り込みやすい性格だと自分を分析する。昨年は『スラムダンク』の映画にハマり、30回ほど映画館に通った。「大会で逆転勝ちができたのも、物語でイメージできていたおかげかも」。辛い時、物事が順調に進んでいる時の身の振り方も映画から学ぶという。現在大学生の娘とはエアロビの動画を見て一緒に踊ったりと仲が良い。「試合前には手紙を書いて渡してくれます」と目尻を下げる。
○…「相手を思いやり、守りながら戦う心のコントロールが必要」と空手の難しさと魅力を語る。辛かったことも今につながっているとの思いから「本気で取り組んで、それでも上手くいかない経験を今後の糧にしてほしい」と子どもを指導。「今の夢は自分の道場を建てることです」
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