講談師・宝井琴鶴さんが神奈川を舞台にした物語を口演するシリーズ第10弾「宝井琴鶴 神奈川をよむ」が11月11日(月)、横浜にぎわい座=中区野毛町=で行われる。
今年、若手芸人のチャレンジの場「登竜門シリーズ」を卒業した宝井さん。今回、初めて芸能ホールで独演会を行う。
「お客様と一緒に1回1回積み重ねてきた。これまでより大きな舞台になるので気合も一段と入っています」と話す。
横浜市で生まれ育ち、現在は川崎市に住む。同シリーズは「ネタの宝庫である地元を読み解いていく」ことをテーマに始めた。
今回は江戸時代の鍼師で江の島ゆかりの偉人・杉山和一の古典講談に、和一を支えた女性・セツの物語を独自に加えた演目を披露する。幼少期に失明し、不器用ながらも新たな鍼術を見出し大成していく和一の人間味あふれる姿を演じる。視覚障害者団体からの依頼をきっかけに執筆した思い入れのある演目。「笑ったり泣いたり、感情を動かしながら聞いてもらえると思う」と話す。
師匠の宝井琴星さんが両親の友人だった宝井さんにとって、幼少期から講談が一番身近な演芸。中学生の時に趣味で始め、一度は企業の営業職に就いたが「大勢のお客さん相手に話をしたい」と2006年に入門。19年に真打に昇進した。
自身の講談を「フィールドワークでの出会いや感じたことを講談に落とし込む。話の枕や引き事(余談)の話も楽しんでもらえる要素の1つでは」と分析する。公演は午後2時開演(1時30分開場)。料金は全席指定の3200円。申込は横浜にぎわい座【電話】045・231・2515へ。
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