横浜市はこのほど、南区三春台にある西教寺(さいきょうじ)の近代寺院建築や鶴見区の曹洞宗大本山總持寺(そうじじ)が所有する道元(1200〜1253)の直筆とされる写経など3件を市指定文化財に指定することを発表した。
指定が決まったのは、總持寺の「仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっすいはつねはんりゃくせっきょうかいきょう)(仏遺教経(ぶつゆいぎょうきょう))伝道元筆(でんどうげんひつ)」と東漸寺(とうぜんじ)=磯子区=の「木造釈迦如来(もくぞうしゃかにょらい)および右脇侍像(みぎきょうじぞう)」、西教寺の「西教寺本堂」。決定は市文化財保護審議会の答申を受けたもの。11月25日(月)に3件は正式に指定される。市歴史博物館=都筑区=では来年2月8日(土)から3月16日(日)まで、「横浜市指定・登録文化財展」を開催予定。
近代的な鉄筋コンクリート造り
浄土真宗大谷派の西教寺は、久保山墓地周辺寺院群の中核に存在する。
指定された本堂は、関東大震災の復興事業で1931年に再建された鉄筋コンクリート造りの建築物。近代建築技術を駆使して耐震・耐火性能を向上しつつ、伝統的な浄土真宗本堂の意匠が取り入れられており、構造・意匠の両面で評価された。1915年〜39年までの鉄筋コンクリート寺院を調査したリストでは、横浜市域で同寺以外は紹介されておらず、鉄筋コンクリート造り本堂建築の古例としても貴重だという。
總持寺の「仏垂般涅槃略説教誡経」は、道元の自筆写経と伝承される。同寺が600年以上大切に保管してきた貴重な資料で、道元の自筆本が少ない中、高い価値があると評価された。
東漸寺の「木造釈迦如来および右脇侍像」は、県指定重要文化財の「釈迦堂」が建築されたと考えられる1301年に近い時期に作られた。鎌倉周辺地域の中世彫刻の特徴的な形式が見られるなど、市の美術史、文化史にとって貴重とされた。
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