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横浜都市発展記念館 横浜の運河をひもとく 変遷と人々の歴史

文化

公開:2025年1月16日

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東横浜駅付近での荷役作業(1960年)=同館所蔵
東横浜駅付近での荷役作業(1960年)=同館所蔵

 港のイメージが強い横浜だが、市街地を流れる川も開港後の経済成長を支え、重要なインフラの役割を担ってきた。横浜都市発展記念館=中区日本大通=は、こうした河川運河にスポットを当てた初の展覧会を1月18日から開催する。現存の資料から、景観の変化とそこで生きた人々の歴史をひもとく。

 開港後、横浜港に注ぐ河川運河は、東京湾を通じて東京や三浦半島、房総半島とつながる一大輸送網を形成した。艀(はしけ)や汽船が行き交い、周辺には問屋や造船業、製材業などが進出した。横浜公園付近にも川が流れ、汽船の発着所や大きな市場が存在していたことが地図に残されている。工業化とも密接に関わり、現在の横浜駅西口の運河沿いにも造船所や鉄工所が立ち並んでいた。

 高度成長期に入ると、鉄道や道路の建設、水質汚染問題などから河川運河は都市計画の開発対象となり埋め立てが進む。吉田川、新吉田川の埋め立てで1978年に誕生したのが大通り公園だ。伊勢佐木長者町駅の構内には今はなき橋の橋名板を残したレリーフ「橋の詩」が設置されている。

 衰退していくと思われた河川運河は、開発を巡る議論の中で市民が水に親しむ空間として変わっていった。

 同展では、このような変遷を辿った河川運河の姿を絵図や地図、絵はがき、文字資料などで紹介。また、人々の様子を活写した戦後写真、東京や千葉など他の地域に残る写真や船舶図面資料の公開も見どころだ。

 展示を担当した松本和樹さん=人物風土記で紹介=は「市民が所蔵していた実際に使われていた艀の部品や船舶模型などの実物の展示もあり、川とともに生きていた人々の生活がより見えてくるのでは」と話す。

区民無料招待も

 企画展「運河で生きる 〜都市を支えた横浜の”河川運河”〜」の会期は1月18日(土)から4月13日(日)まで。また、ゆかりのある4区で区民デーを設ける。在住場所の分かる証明証書の提示で誰でも無料で観覧できる。西区2月26日、磯子区3月5日、中区19日、南区26日(いずれも水曜日)。

 「普段道を歩くときにも川に注目すると面白い。関東大震災後に整備された護岸の様子を現在も見ることができたり、近代の横浜を考える上で重要なものと分かる。展示資料を懐かしいと感じる人も多いのでは」と松本さん。(問)同館【電話】045・663・2424

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