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ユーラシア大陸旅を本に 南区平楽出身、金さん

文化

公開:2025年1月30日

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著者の金さん=信愛塾の前で
著者の金さん=信愛塾の前で

 南区平楽出身の金泰俊さん(41)が、2011年4月から自転車でユーラシア大陸を横断した日々をつづった「明日はどこまで行こうか」(信愛塾文庫第6集/1500円税別)を出版した。金さんは30歳を前に「日本を離れ、上海からポルトガルのロカ岬まで自転車で行こう」と決意。本著では、13カ月にわたる自転車旅を通して、雄大な自然や人々の出会い、自身の心と向きあった日々を率直な言葉で綴っている。

子へのギフトに

 旅先で毎日書いていた日記を帰国後、整理した。さらに2019年、自身に子どもができたのを機に、手作りで1冊の文庫本にした。「子どもが大きくなった時にギフトとして、自分が考えていたことを伝えたいと。何かあった時に背中を押せるといいなと思った」と話す。それを読んだNPO法人在日外国人教育生活相談センター信愛塾=中村町=の大石文雄さんが本にすることを勧めたという。

 金さんはいわゆる在日韓国人3世にあたる。信愛塾との付き合いは小学生の頃から。小学4年で保土ケ谷区に引っ越した後も、自転車で信愛塾に通い、学習支援を受けた。常に心にあったのは、在日コリアンとしての葛藤。「ずっと『小島泰俊』として生きていて、後ろめたさがあった」と振り返る。

本名で生きる

 旅を経て「特に変わったことはない」というが、帰国後は「金泰俊」を名乗るようになった。「以前は差別されることが怖くて身構えていた。本質はそんなに変わらない。帰ってきたら、『もう、いいや』って思えたんです」と笑う。エピローグでは「息苦しくなったら、環境を変えてみればいいし、肩肘張ってたら少しだけ油断してみればいい。行動を変える勇気を生むきっかけになれば嬉しい」と記した。

 同著は信愛塾(【電話】045・252・7862)で購入できる。

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