名刺の肩書は「四足最速の人類」。後にも先にも見たことがない。手足を使って走る「四足走行」を競技として追求している、都内在住のいとうけんいちさん(34)が4月、中区本牧原に四足走行とボルダリングが学べるジムを開設した。
小さい頃からサルが好きだった。13年前、サバンナに生息し「サル界でも最速」と言われるパタスモンキーが、時速50Km以上で走る姿を目撃。早速、手足を使って走るその姿を模写してみたところ「速く走れた」。以来、独学で四足走行を研究し続けている。
「奇をてらっているように見えますが、根詰めて研究しています」と本人。手本となったのは動物。時には動物園の檻の前で四足歩行を実践し、飼育員を驚かせたことも。「走法」も徐々に変化し、馬のように手足を動かす「パタスモンキー型ギャロップ走行」が今の形。連日6時間の練習を重ねた結果、手のひらには肉球のような豆ができ、手首の付け根はかかとのように硬い。100mを四足での”ギネス世界記録”15秒71で駆け抜けるその姿は、どこか野性味を感じさせる。
いとうさんにとって、本牧のジムは初めての指導拠点。「四足で登り、四足で走る」をテーマに、四足走行とボルダリングが体験できる。「僕も34歳で、アスリートとしては長くない。自分が競技を辞めても四足走行の灯をともし続けたいとジムを開いた」。夢は「本牧から四足走行の世界チャンピオン」を輩出することだ。
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