市政報告 プラ汚染、当事者意識を 自民党市会議員 松本 研
私たちの生活に多くの利便性と恩恵をもたらしているプラスチックは、様々な製品や容器包装などに幅広く利用されています。一方、不法投棄やポイ捨て、屋外に設置されたプラスチック製品が劣化して飛散するなど、街中に流出し、河川等を通じて海洋汚染につながっており、生態系への影響も懸念されています。こうした状況から現在、世界規模で問題の解決に向けた動きが広まっています。
毎年800㌧が海洋流出
世界で生産されるプラスチックは年間約3000億㌧といわれています。その内50%が容器包装などの「使い捨てプラ」として利用されていますが、リサイクル率は14%、焼却などによる熱回収率は14%に止まっており、毎年800㌧が海洋に流出していると推計されています。
日本における一人あたりのプラスチック排出量は米国に次いで2位と高い状況ですが、リサイクル率は27・8%、熱回収率は58・0%と世界で比べると高い有効率となっています。世界各国で使い捨てプラスチックの規制を進めており、多くの国でレジ袋の有料化や使用禁止・製造禁止などの規制を進めています。
横浜市では、分別ルールに基づき家庭から排出されるプラスチックについては、リサイクルまたは焼却によって適正処理をめざしています。ペットボトルの分別率は90%以上と高い水準で推移していますが、プラスチック製容器包装は60%に止まっています。また、事業所から排出されるプラスチックについても産業廃棄物として適正処理をめざしていますが、焼却工場に搬入される事業系可燃ごみにプラスチック類が混入するなどの課題が生じています。
プラスチックは適正に分別することでリサイクル可能な素材ですが、金属等と比べると有効利用される割合は低く、焼却した場合には温室効果ガスが多く排出されるために地球温暖化の要因の一つになっています。
官民一体で対策
そこで横浜市では「よこはまプラスチック資源循環アクションプログラム(素案)」を策定しました。未来の子ども達に豊かな自然環境を継承し、市民の皆さんがプラスチック問題を自分のこととして捉え、具体的な行動に繋げていただくために「使い捨てプラスチックの削減、プラスチックの分別・リサイクルの更なる推進」「プラスチックの飛散流出の防止」「取り組みを加速させていくための市民・事業者との協働」を重点戦略としています。
喫緊の課題であるプラスチックによる環境汚染の拡大を止めるために、官民一体となって取り組むことが大切です。
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