トップインタビュー 「信頼に応え続ける京急に」 京浜急行電鉄株式会社 原田 一之 社長
――みなとみらい21(MM)地区にできる京急グループ本社ビルへの移転が始まりますね。
9月中旬から順次、引っ越します。現在、本社のある泉岳寺駅周辺は区画整理が進んでおり、3年ぐらい前から移転先を探していました。候補に川崎や羽田もありましたが、京急線のど真ん中に位置する横浜は、現場の人が来やすく司令塔として適しています。また、横浜は1931年に湘南電気鉄道に接続した記念の地でもある。線路の近くにある街区だったのも大きかったですね。
――本社1階にはミュージアムもできます。
先日、修繕が完了した昭和初期の名車両デハ230形を展示します。また電車のシミュレータやジオラマなどもあり、多世代で楽しめる場所になると思います。近隣には資生堂やゼロックス、ヤマハなど見どころある企業があり、ぐるっと回るだけで1日楽しめるのでは。協力して地域を盛り上げていきたいです。
――これまで印象に残っている仕事は何ですか。
1998年から計画営業部に所属し、運行や駅則に関して1から勉強できたのは今に繋がっています。羽田駅の開業時は、死ぬほど働きましたね(笑)。各鉄道会社と検討したICカードのPASMO導入も印象深い出来事でした。
――鉄道会社として大切にしていることは。
やはり「信頼される京急」であり続けることです。安全に運行するのは当たり前にすべきこと。京急線は生活の足として街なかを走り、社会のために、地域と共に成長してきた鉄道会社です。沿線に住む人々や企業、街とは、一生おつきあいしていくので、「地域と一緒に」という気持ちはこれまでも、これからも変わりません。さらに地域との繋がりは、強くなっていくと考えます。
――これからの課題は。
リスクの一番上に掲げているのは「人口減少」。そのために、沿線の活性化は不可欠です。再開発をしている品川、海外への玄関口となる羽田、本社移転する横浜が連携を密にし、元気を波及できれば三浦半島に住みたい人も増えるはず。そういう意味でも可能性は、ものすごくあると思います。
――今後の京急は。
これまでの「信頼」には応えた上で、いい意味で期待を裏切りたいですね。「京急って、こんなことやるの?」と言わせたい。これからの新しいチャレンジにぜひ注目していてください。
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地元奉仕団体 新会長の横顔 Vol.710月17日 |