横浜市長選挙の告示まであと1カ月。7月5日時点で現職の林文子市長は態度を明確にしていないが、選挙戦では3期12年の林市政の評価が争点の一つになる。12年を振り返り、市政の課題を探る連載の2回目。
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2009年8月、横浜市初の女性市長としてスタートした林市政。就任当初から「子育て支援の充実」を掲げて、様々な施策に取り組んだ。
一時は全国最多
その代表が待機児童対策。同年4月の待機児童数は全国最多1290人だったが、市長直轄プロジェクトを発足し、13年に待機児童ゼロを達成。「横浜方式」と呼ばれた【1】認可保育所の施設基準を緩和した横浜保育室の設置【2】認可保育所への株式会社の参入【3】保育所と入園希望者をつなぐ保育コンシェルジュの各区配置等は高く評価された。
しかし、未入所でも数に含まれない「隠れ待機児童」が問題視され、厚生労働省は「育休中でも復職の意志がある場合」も集計するよう定義を改正。新定義集計の18年4月は63人(旧定義の17年は2人)を記録した。このうち、以前は対象外に該当したのは61人と実態が浮き彫りとなった。
一方、今年4月付で認可保育園等の半数以上が「定員割れ」に。コロナ禍での申請控えやリモートワークの普及など、保育ニーズの変化が推測され、社会情勢に応じた適切な整備が求められる。
放課後の居場所整備
小学校入学を機に子どもの預け先を失う「小1の壁」も子育て課題の一つ。市では04年度、放課後の”遊びの場”を提供する「はまっ子ふれあいスクール」を”預かりの場”の機能を加えた「放課後キッズクラブ」へ転換し、昨年度には全小学校への設置が完了した。
19年度には約7万人の保護者を対象にアンケートを実施。就労世帯の増加や習い事の多様化など、児童を取り巻く環境の変化に合わせて利用区分の新設や利用時間の変更などを見直し、今年4月に新基準を導入した。現在はコロナ禍で実施に制限もある状況で、感染対策と預かり機能の両立が課題となっている。
ハマ弁「中学校給食」に
市が19年度に実施した調査で中学校保護者の9割弱が弁当作りを「負担に感じる」と回答するなど、課題だった中学校給食は、今年度「ハマ弁の給食化」により実現。
一方、19年に市民グループが実施した調査では、給食に求める条件として「あたたかい・できたて」「栄養バランス」の声が多く、約半数が自校調理方式を希望した。川崎市では同方式を含めた配膳型の給食を実現しているが、市は約309億円と推計される整備費等を理由に「デリバリー型以外での実施は困難」と自校式には否定的。法律上は実現された給食だが、市民の長年の要望とは乖離がある状態だ。
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