カーン、カーン、カーン。毎週日曜の朝、横浜海岸教会から高らかに鳴り響く鐘の音-。礼拝開始を告げるその音は、汽笛と共に異国情緒溢れる港町・横浜の「音風景」となっている。
「鐘を所有し、今でも人の手で鳴らし続けている教会はこの辺りでも珍しいのでは。『以前から鐘の音が聞こえて気になっていた』と訪れる人も多い」と、上山(うえやま)修平牧師は話す。創立110周年までは創立年数回を、以降は聖書の巻数に合わせて、午前9時からの子どもの礼拝前に27回(新約の巻数)、10時30分からの大人の礼拝前に66回(旧約39巻+新約27巻)鳴らしているという。
鐘は旧教会堂が建てられた1875年にアメリカ人から寄付されたことは分かっているが、贈り主については共立女学校(当時)の女性宣教師・プライン夫人など諸説あり、特定するに至っていないという。関東大震災では倒壊した廃墟から掘り出され、戦争下では武器生産の資源が不足する中、軍から鐘の供出を迫られるという危機もあった。しかし当時の牧師が「アメリカからの愛の贈り物を鉄砲の弾にして返すことはできない」と抵抗し、加賀町警察署に留置されても鐘を守り抜いたと伝えられている。
保全と安全性の観点から現在は一般公開していないが、今回特別に鐘のある塔へ上らせてもらった=写真。「まだ周りに建物が何もなかった時代は、遠くまで鐘の音が届いていたのでしょうね」と上山さん。今は一体どの辺りまで鐘の音が聞こえているのだろうか-。
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