『ヨコハマに走っていた路面電車〔横浜市電〕』を自費出版した 森田 満夫さん 中区元町在住 76歳
溢れる市電への思い
○…「横浜にも路面電車が走っていたことを伝えたい」。廃線から50年の節目に、10〜20代の頃に撮った横浜市電の写真や歴史をまとめた1冊を自費出版した。「路線図を入れたのはこだわり。根っからの市電好きなので」と、長年地道に調査してきた記録を基にオリジナルの年表も作成。全33ページの中に市電愛がぎゅっと詰まっている。
○…元町生まれ。「家の近くを市電が走る恵まれた環境でしたね」。可愛く揺れる市電に愛着を持って通学していた高校2年生の時、友人の影響で市電の模型作りが趣味に。「作るからには細かい部分まで再現したい」と資料になる写真撮影にも熱が入った。「学生の小遣いだからカラー写真はなかなか撮れなくて」と分厚いアルバムの中の大半がモノクロだが、模型屋で仲良くなった運転手や、車庫で車体寸法などが書かれた調査表を見せてもらった話など、市電にまつわる思い出は今も色鮮やかだ。
○…孫とも通った「市電保存館」の入口には自作の走る模型が展示され、調査資料は「森田ファイル」と言えば出てくるとか。時折訪れては自ら来館者に解説することも。もう一つの趣味は音楽鑑賞。長年ビクターに勤めていたこともあり、レコードやCDでラテン系やジャズの曲を聴くのが至福のひと時だ。
○…一緒に模型を作っていた高校の友人3人とは、今も趣味を共に楽しむ仲。「ついこの間もロマンスカーで日本酒を飲むツアーへ。60年経っても皆で集まれるのが嬉しいね」としみじみ。なか区民活動センターを拠点に活動する市民グループ「しでんの学校」にも所属し、秋にはそごうで写真展を開催予定。「将来的にはメンバーの写真を持ち寄って写真集を出したい」と少年のような瞳で夢を語った。
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9月12日