今年3月に店主と従業員の高齢化により123年の歴史に幕を閉じたJR桜木町駅の立ち食いそば店「川村屋」が、9月1日に再開する。6代目の笠原成元さん(69)の娘、加々本愛子さん(31)=人物風土記で紹介=が後を継ぎ、これまでと同じ場所でメニューもそのままに提供する。
川村屋は1900年に横浜駅(現在の桜木町駅)で横浜の料亭、富貴楼の女将の養女が洋食店として創業。69年にそば店も開始し、2014年から現在の店舗で営業している。5代目の店主が笠原さんの父の知人だった縁から、笠原さんが35年前に店を継いだ。
変わらぬ味 未来へ
営業最終日には常連客など約1800人が店を訪れた。中には3回も食べに来た人や店への思いをつづった手紙を渡す人もいたという。笠原さんは「自分が感じていたよりも愛されていたことに気づいた」と話す。
閉店を決断後、娘の愛子さんから「店を継ぎたい」と思いを伝えられたという。一般企業に就職し店を離れていた愛子さんに対して、浮き沈みのある経営の厳しさを知る父として一度は断ったというが、「川村屋を未来に残したい」という強い思いを聞き、腰を上げた。笠原さんは、当面、店を手伝うという。
シァル桜木町とのテナント契約は終了していたが、同施設の”顔”だったこともあり、改めて契約。こだわりの天然だしのつゆを作るだし取り名人のスタッフも復職し、変わらない味を守る。
こだわりの店づくり
「食べているのを部下に見られても恥ずかしくない店」というのがコンセプト。立ち食いそば店では珍しく、陶器の丼、ガラス製のコップを使用するなど、こだわる。
また、メニュー表と券売機の並びを同様にし、焦らずに購入できる工夫をするなど、分かりやすさを重視する。
店内の一部は改装したが、客に「古巣に戻ってきた」と感じてもらえるよう外観はそのままに。メニューも変えずに提供する。愛子さんは「代は変わっても味は変わらないと思ってもらえるようにしたい」と意気込む。
おすすめは「とり肉そば」。秘伝のたれに漬けたブランド鶏・信玄どりと店こだわりのつゆが合わさり、深い味を生む。
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