西区のサンモール西横浜商店会にある洋服店「ムサシヤ」=西区久保町=の店先に昨年10月、常設のフードドライブの回収ボックスが設置された。経済的に困窮する世帯へ食料支援を行う「食支援ネットかながわ」が運営する。寄付された食品は福祉施設や子ども食堂への提供、同団体が行う食品の無償提供(フードパントリー)で配布される。
フードドライブとは、家庭や職場などで余っている食品を集め、地域の福祉団体や施設などに寄付する活動。
今回、サンモール西横浜商店会にフードドライブの場を設置した「食支援ネットかながわ」代表の栗城昭司さん(65)は、2019年に地域に根差した食料支援のネットワークを目指し同団体を創立した。現在、9人のメンバーが中心になり支援の輪を広げている。
寄付できる食品は、常温保存可能で賞味期限まで1カ月以上ある未開封の品。生鮮食品やアルコール類は不可。随時回収され、地域の子ども食堂や支援施設、毎月第2土曜日に生活創造空間にし=西区浜松町=で行うフードパントリーなどで配布される。
きっかけづくりに
フードドライブという言葉が広まり、商業施設などに回収箱の設置が増える一方、常時置かれている場所は少ないという。「支援ができる場所がここにあると認知してもらうことが重要」と栗城さんは話す。
米やしょうゆなど日常の食事に必要なもの、介護食や離乳食、消費し切れない買いだめ品など、さまざまな食品が集まる。商店街の中に設置されていることもあり、買い物途中に「そういえば家に余っている食品がある」と持ってくる人や登下校中の小学生が興味深そうに中をのぞく姿も見られるという。
栗城さんから依頼され、場所を提供するムサシヤの石井謙治さん(59)は「支援を身近に捉え、自分に何ができるのか考えてもらう場になれば」と話している。
栗城さんは「食料支援は1つのきっかけ。何に困っているかを知り、次の支援につなげていきたい」と思いを口にした。
横浜市では食品ロス削減の取り組みとしてもフードドライブの活動を推進しており、市のホームページで実施状況の公開や必要物品の貸し出しなどを行っている。
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