横浜を拠点に朗読会や公演を行うNPO法人声物園は8月24日、初の朗読コンテストを横浜市社会福祉センター=中区桜木町=で開催した。録音審査の予選を通過した小学生から大人までの24人が、課題作品から1つを選び披露。同法人の吉川雅子理事長は「(コンテストが)読書や朗読を楽しむきっかけになれば」と話した。
文字を読んで、それを書いた作者が見た景色、感じた感情を想像し、頭の中に描いた景色をまた自分の声で表現する――。一口に「朗読」といっても、朗読会や読み聞かせサークル、Youtubeでの作品公開、朗読ボランティアなど、活動の場は幅広い。その多様化により朗読人口は年々増えているといわれている。一方で、同法人の吉川理事長は「朗読を純粋に発表する機会は限られている」と指摘。今大会の企画意図を「小学生から大人まで、資格なしでフリーに出場できる発表の場を作りたかった」と話す。
初の開催に関わらず、録音審査の予選には、北は北海道、南は九州など全国から各部門合わせて計150人の応募が寄せられた。大会当日は予選を通過した小学生部門・中高生部門から各7人、一般部門から10人が課題作品を自身の声で表現した。
審査は「発声やアクセント」「文章の理解」「音声表現の技術」「聞き手に届く表現」を審査員5人が採点。総合点が高い順に表彰された。
一般部門で最優秀賞に輝いたのは千葉県の杉崎千明さん(78)。8年前から「認知症予防に」と朗読を始めたという。「初めての受賞で、冥土の土産になる」と喜んだ。小学生部門の最優秀賞は東京都の渡部心望さん(6年)、中高生部門は藤沢市の寺坂駿佑さん(高3)だった。
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