本牧 気まぐれ歴史散歩 83 旧バーナード邸 かつての洋館が建ち並んでいた町
チャールズ・バートン・バーナードは明治8年(1875年)にイギリスの商社、ブラウン商会で日本茶のバイヤーとして来日し、横浜や神戸で働きました。バーナードは明治16年(1883年)に独立して貿易商を経営し、日本人女性と結婚して、本牧の八王子海岸(現:本牧南小学校前の三角公園)近くで暮らしました。昭和12年(1937年)に建てられ、昭和22年(1947年)に亡くなるまでバーナードも暮らした洋館は、今も残されています。
バーナードは水彩画を描くのを趣味としており、日本各地の美しい風景を描いています。バーナードが遺した水彩画は、風景画としても逸品と評価されていますが、描かれていた町の当時の姿をカラー映像で知ることができる貴重な資料としても評価されており、各地の博物館で収蔵されています。現在の本牧山頂公園から見下ろした田園風景と三之谷から八王子海岸へと続く尾根、そしてその後ろで輝く海を描いた本牧の美しい風景画も、横浜市が収集し、現在は開港資料館で保管しています。
旧バーナード邸あたりには、明治中期から昭和40年代までたくさんの洋館が建ち並んでいました。世界各地の人々が美しい海が広がる本牧で暮らしていましたが、本牧の海が埋め立てられた頃から洋館は減り始め、現在は旧バーナード邸だけとなりました。
次回は、旧バーナード邸から続く登り坂を、八聖殿方面に向かって登っていこうと思います。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
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地元奉仕団体 新会長の横顔 Vol.710月17日 |