神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

本牧 気まぐれ歴史散歩 84  レーモンドとスタンダード石油社宅 

公開:2024年10月31日

  • X
  • LINE
  • hatena
八聖殿入口にあるスタンダード石油社宅建築賞受賞記念レリーフ
八聖殿入口にあるスタンダード石油社宅建築賞受賞記念レリーフ

 アントニン・レーモンドはチェコで生まれた建築家です。アメリカで著名な建築家フランク・ロイド・ライトの事務所で働いていました。初代帝国ホテルの設計を任されたライトの助手として大正8年(1919年)に来日したレーモンドは、大正11年(1922年)に独立。日本で数々の美しい近代建築作品を造りました。エリスマン邸やフェリス女学院10号館・パークシティ本牧管理棟(復元)など、近隣で目にする作品も多いです。

 レーモンドは、第二次世界大戦が始まるとアメリカへ戻り、焼夷弾の効果検証実験のために日本家屋を再現することに協力し葛藤したとも言われていますが、終戦後の昭和22年(1947年)に再来日し、戦後も日本で活躍して各地に数々の名作を造っていきました。その戦後最初の作品となった建物が、本牧元町の丘の上に造られたスタンダード石油社宅です。東京湾が一望できる丘の上に、コンクリート打放しで宙に浮くようなフロアを持ち、大型の木製サッシをはめ込んだ工法とデザインは斬新なものであり、建築史・文化史上、非常に貴重なモダニズム建築と称えられ、本牧のシンボルのひとつとなりました。

 敷地が売却されて空き家となった社宅を保存し活用していこうと、多くの署名や陳情が横浜市に寄せられましたが、平成18年(2006年)に解体され、その姿を消しました。

 スタンダード石油社宅があった場所からちょっと登ったところに八聖殿が建っています。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)

中区・西区・南区版のコラム最新6

私のまちの連合会長

地区連合町内会インタビューvol.10

私のまちの連合会長

埋地地区連合町内会会長 藤平 保之さん

11月7日

レーモンドとスタンダード石油社宅 

本牧 気まぐれ歴史散歩 84 

レーモンドとスタンダード石油社宅 

10月31日

ノーベル平和賞受賞 日本被団協事務局次長・和田征子さん「被爆者の言葉が核抑止に」

赤レンガの洋館「馬車道十番館」で文明開化気分に浸る

横浜ほっこり純喫茶【2】

赤レンガの洋館「馬車道十番館」で文明開化気分に浸る

本紙記者のひと息時間

10月19日

横浜とシュウマイと私

連載コーナー44

横浜とシュウマイと私

「先生の愛したシウマイ」

10月17日

地元奉仕団体 新会長の横顔  Vol.7

あっとほーむデスク

  • 10月17日0:00更新

  • 7月18日0:00更新

  • 7月4日0:00更新

中区・西区・南区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook