ぬりえと地域情報が一体となったフリーペーパーを通じて子育て支援を行う 高坂(こうさか)禎亮(よしあき)さん 西区宮ヶ谷在住 33歳
ぬりえで地域をつなぐ
○…「外食しても子どもが動き回ってゆっくり食べられない。お店に子どもの興味をひくものが置いてあれば」。そんな自身の経験を生かし、昨年からぬりえと保護者向けの地域情報を組み合わせたフリーペーパー『ぬりえぽん』を月に1回発行。先月行われた「横浜ビジネスグランプリ・ベンチャー部門」で優れた事業として認められ、全国で11人のファイナリストにも選ばれた。現在、店舗の棚置きや幼稚園など170カ所で1万4千部を無料配布している。「まずは横浜市の全幼児に配布できるようにしたい」と意欲を見せる。
○…ぬりえは絵本型にして「親が子どもに読み聞かせて欲しい」と昔話にこだわった。イラストはプロアマ問わず採用し、アーティスト支援の一助にも。あえてアナログな紙媒体を選んだのは、会話を生む対面式のコミュニケーションを生み出したいと考えたからだ。「ネット社会の今は、1日誰とも会わないことも多い。子育てが孤立しないよう、ぬりえぽんを取りに外出する、掲載店へ訪れて会話する、親子で一緒に塗るなど、様々な交流のきっかけになれば」と力を込めて語る。
○…茨城県出身。システムエンジニアのフリーランスとして活躍、仕事で訪れた横浜の暮らしやすさに惹かれ、29歳の時ソフトウェアスイート(株)(神奈川区)を起業した。大学時代は水上スキーの選手として、インカレで優勝。今もウェイクボードにサーフィンとマリンスポーツが趣味。
○…家族は妻と3歳の娘、11カ月の息子。「子育てといっても一緒に遊ぶ程度で、家事も妻に任せっぱなし」というが、できるだけ妻が息抜き時間を取れるようにと気にかける。「子育ては家族だけでなく、地域で支えあう仕組み作りが必要」。今後はぬりえぽんを通して親子や広告主、設置店などをつなぐシステムの構築など、子育て支援への構想は次々と膨らむ。「地域をつなぐ」夢に、色をつけていくのはこれからだ。
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