市立横浜総合高校(天野真人校長、生徒1147人)が中区翁町から地下鉄弘明寺駅そばの旧大岡高校跡地=大岡2の29の1=に移転し、9月9日から授業が始まった。生徒の休憩スペースが新たに設けられるなど、これまでの倍になった敷地を有効に活用。11日には弘明寺商店街内の清掃を行い、地域との連携を重視する方針を明確にしている。
同校は横浜工業高、港高、横浜商業高定時制の3つの市立校を再整備する形で2002年に中区翁町の横浜工業高の場所に開校。授業開始が朝、昼、夕に分かれる県内初の三部制高校に生まれ変わった。しかし、校舎の耐震性に問題があることから、10年4月に旧大岡高跡地への移転が決定した。
昨年から行われた改修工事は、校舎建物の柱を残し、壁などを新しくした。校舎は5階建てで、建物の奥には溶接作業室などを備えた工業実習棟が作られた。
移転前は8300平方メートルだった敷地面積が1万7400平方メートルに倍増。中庭には芝生や緑が多く見られ、休み時間などに生徒が休憩できるラウンジが新たに設けられた。
生徒からは「校舎がきれい」「広くなった」と移転を喜ぶ声が聞かれる。天野校長は「今までより登校する生徒が増えているように見える」と学習意欲の向上にもつながっているという。
商店街を清掃
11日朝には生徒が弘明寺商店街内を清掃。側溝の隙間にたまった土やほこりをかき出した。商店街では今までこの場所をあまり清掃しておらず、「とても助かった」と感謝する声が出ていた。午後は夕方から授業が始まるIII部に通う生徒が弘明寺駅前で南区役所と協力し、ごみ削減を呼びかける水切りネットと高校の紹介が書かれたチラシ入りのティッシュを配布。高校の存在をアピールした。
朝の清掃に参加した大矢つぐみさん(1年)は「機会があれば、また掃除をしたい。商店街の店にも寄ってみたい」と話した。
同商店街のある店主は「人通りが増えて活気が出た」と同校の移転でまちが活気付くことを期待。一方、別の店の女性は「(制服がなく)学校に通うとは思えない服装の生徒もいて驚いた」と違和感を口にする。
小市聡副校長は「学校の存在を知っていただけるよう、努力を続けたい」と話し、今後は町内会と協力した防災活動など、地域の課題解決に学校が協力していく方針を示した。
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