南区との区境にある港南区芹が谷の知的障害児施設、県立ひばりが丘学園が来年4月、平塚市内に移転する。1949年に東日本初の公立知的障害児施設として開設され、社会のニーズに応じて、役割を変えながらも地域と交流し、障害児の生活を支えてきた。10月1日には現地で最後となる学園祭「ひばり祭」が開かれる。
戦後の混乱時、戦災孤児の中で知的障害のある子どもは、近隣の精神病院「芹香院(きんこういん)」(現・県立精神医療センター)で成人と一緒に入院していた。その中で知的障害のある子どもに医療、福祉、教育などを提供する入所施設が求められ、同学園が設立された。短期入所者も含め、現在は約40人が利用する。
社会状況の変化とともに同学園の役割も多様化してきた。中田和之園長は「対象者のニーズが変わってきており、専門的な支援が求められている」と話す。知的障害児を中心とした支援から、虐待などにより心理的なケアが必要なケース、行動障害や発達障害など、専門的な支援が求められるようになってきたという。
県は障害や年齢に応じた切れ目のない支援を行うため、乳児院、情緒障害児短期治療施設、障害児入所施設の3つが一体となった児童自立支援拠点を平塚市に整備。同学園の機能も新拠点に移される。さまざまな事情により家庭での生活が困難な場合や、情緒障害など、一定期間治療を必要とする子ども、知的障害などのある子どもたちを心身両面で専門的にケアする。
地域交流も
同学園はこれまで、地域との交流に力を入れてきた。15年度に各活動の講師や通園付き添いなどでボランティアとして来園したのは、約1700人に上るという。
また、子どもが地域の夏祭りに参加していたほか、秋の学園祭には近隣の中学校の生徒や地域住民も多く参加。中田園長は「子どもの豊かな生活を実現するにあたり、地域の方々に協力的に関わってもらえた」と感謝の言葉を口にした。
10月1日には移転前最後の学園祭を開催する。午前10時から午後3時まで。雨天決行。飲食の模擬店やフリーマーケットなど。問い合わせは同学園【電話】045・822・3917。
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