市立横浜総合高校(天野真人校長)が生徒の交流や進路相談などの場として昨年10月から始めた「ようこそカフェ」の取り組みが1年を迎えた。生徒が悩みを話したり、学生ボランティアとコミュニケーションを図るなど、カフェが教室とは異なる居場所としての役割を果たしている。
週1日、飲食提供
カフェは生徒同士の交流や自立へ向けたキャリア支援を目的に昨年10月から始まった。青少年支援を行う公益財団法人「よこはまユース」が中心となり、横浜市立大学などが協力して運営。校舎1階のフリースペースを使い、毎週水曜日の正午から午後5時30分まで開所。食事のほか、ボランティアや企業から寄付されたジュースや菓子などを無料で提供する。1日平均で約200人が利用する。
スタッフにはボランティアの大学生のほか、スクールカウンセラーも参加する。生徒はテーブルを囲んで大学生と飲食やトランプなどのゲームをすることもある。
進路や悩み相談
よこはまユースの富岡克之さんは「生徒が年齢の近い大学生と会話やゲームをすることで次第に打ち解け、進路や家庭の悩みを相談するケースが増えてきた」という。スタッフがコミュニケーションを図る中で生徒の様子が気になったり、問題を抱えていると判断した場合は、教員に報告。必要に応じて専門機関に連絡する体制を整えている。
同校には他校のような「クラス」の概念がない。そのため、カフェで初めて会い、友達になることもある。利用する生徒は「気軽に空いた時間に来ることができるので楽しい」と笑顔で話す。スタッフとしても活動する生徒の高部昌典君は「最初は要領が分からず難しかったが、次第に多くの知り合いができて楽しくなった。みんなが笑顔で会話できれば」と願う。
中学校まで不登校だったり、対人関係が苦手なため、教室より保健室で過ごすことが多い生徒もいる。しかし、カフェがある日は保健室の利用者が減るという。
カフェで生徒と積極的に会話することを心がけている杉浦正典校長代理は「まだカフェに来られないような生徒も気軽に立ち寄れる場にしたい」と語る。
支援者求める
運営にはPTA会費などが充てられているが、安定的な運営のためには支援企業・団体を増やす必要がある。杉浦校長代理は「金銭面に加え、生徒と話をしてくれる大人や就職などの支援をしてくれる企業や団体ともつながりたい」と話し、外部の協力を得ながら、カフェを広げたいとした。
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