消防職員が救助技術を競う「市消防救助技術訓練会」の成績が上位だった南消防署の2つのチームが6月12日に厚木市で行われる「県消防救助技術指導会」に出場する。若い職員が中心で、消防署側は「訓練を通してチームワークが高まり、日々の業務にもプラスになっている」と話す。
市訓練会は消防・救助活動に不可欠な体力や精神力、技術力を鍛えるため毎年実施されている。陸上と水上を合わせて計13種目があり、それぞれに行動の正確性や時間を競う。今年は5月15日から17日まで、市消防訓練センター=戸塚区=で行われ、全区から約400人が参加した。
21歳コンビが1位
陸上の部の「ロープ応用登はん」に出場した小池将太さん(21)と谷口幸太郎さん(21)は6チーム中1位となった。この種目は登はん者と補助者の2人1組で器材を使わずに壁の上から垂らされたロープを使って15mを登っていくもの。
谷口さんが「土台」と呼ばれる役割となり、小池さんが開始合図と同時に谷口さんの背中側から太もも、肩の順に足をかけ、ロープを使って登る。市訓練会の記録は9秒2で、2位に1秒以上の差を付けて圧倒した。
2人は2月からこの種目の練習を始めた。南消防署のガレージ横にある本番と同様の場所を使っている。旧庁舎には練習場所がなかったため、これまで訓練会ではこの種目に南消防署は参加していなかった。
小池さんは「練習を重ねるに連れ、2人のタイミングが合ってきた」と話し、谷口さんは「市1位で自信がついた」という。小池さんは「訓練を通してコミュニケーションを育んできた。その力は災害時の活動にも生きるはず」と語る。
水中で息合わせ
水上の部の「人命救助」では大岡消防出張所の土岐学さん(38)、高瀬亮さん(20)、今井陸さん(23)のチームが5チーム中2位に入った。南消防署からはこの種目で3年ぶりの県指導会出場となった。
救助者がロープをたすき掛けにし、救助対象者がいる位置まで泳ぎ、抱えるようにした後、陸上にいる補助者がロープをたぐり寄せて救助。その後、水没しつつある要救助者(人形)を水面に引き上げ、救助するもの。
この種目の経験を積んでいる土岐さんがリーダーとなり、若い2人をまとめている。救助者として泳力が求められる今井さんは「体力も必要で、気持ちを強く持つように意識している」という。今井さんをロープで引っ張る高瀬さんは「泳ぎを見てタイミングを合わせることが大切」と話し、土岐さんは「今年から練習を初めたので、まだまだ伸びる余地はある」と期待する。県指導会へ向けて清水ケ丘公園プールを使って練習に励む。
2チームとも県大会で上位に入れば、関東大会へ進む。それぞれ「周囲の支援があるからこそ、訓練を積むことができる」と口にする。
南消防署の担当者は「訓練会は若い職員が経験を積む場でもある。練習を通してコンビネーションやチームワークを高めることが、いざという時の救助につながる」と話し、若手の活躍が署全体の士気を高めることになり、日々の業務にもプラスになっているとした。
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