南太田1丁目の「佐藤病院」(佐藤克之院長)の職員6人が9月1日付で南消防団(涌井正夫団長)に入団した。これに伴い、同病院は市内の医療機関で初めて「消防団協力事業所」に認定された。病院側は「地域の役に立ちたい」と話し、団員確保を目標にする消防団も「職員が持っている知識や経験に期待したい」としている。
同院は1919年設立。内科、外科、整形外科などを備え、2次救急病院としての機能を果たす。職員は180人。日ごろから消防署の救急隊活動を目の当たりにしていたことなどから、佐藤院長は「救急隊との連携も深まることになり、地域にも貢献できれば」との思いで職員の消防団入団を検討。院内の職員から希望者を募り、看護師や理学療法士など6人が入団を決めた。6人はいずれも南区在住。9月1日付で南消防団入りし、病院のある地域を管轄する第一分団の所属となった。
専門知識に期待
6人は大規模災害時、病院での業務を行うことになるが、消防団の涌井団長は「日常の地域での救急訓練などで力を発揮してほしい。救急や医療の知識を持った人がいると助かる」と話す。今後、病院と消防団で調整しながら、活動内容を決めていく方針だ。入団した看護師の本田晴子さんは「自分も佐藤病院で生まれたので、この地域に何かができればと思った」と理由を説明する。
定員確保目指す
6人の入団より、同院は消防団の活動を支える「協力事業所」に認定された。同事業所は市内に105カ所、南区には7カ所あったが、医療機関の認定は市内初。12日の協力事業所表示証交付式で南消防署の小出健署長は「医療機関の職員は不規則な勤務時間なので、消防団入りは難しいとされていた。今回の例が先駆けとなれば」と語った。
南消防団の定員は395人だが、団員の定年が相次ぎ、なり手が不足している状況が続く。市内の各消防団でも同様の傾向で、2019年1月1日時点で全消防団が定員を満たす目標を掲げている。今回の6人が入団し、南消防団員は現時点で377人。消防団は特に事業所や大学生、女性への声掛けを進め、早期の定員確保を目指している。
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