南消防署は外国人向けの防災ガイドを初めて作り、配布を始めた。外国籍住民が増え続ける中、地震や大雨の想定、119番通報の方法などをやさしい日本語でまとめたもので、消防署は「多くの外国人に届けたい」としている。
南区の外国籍住民は年々増え続けている。3月末時点で市内全体の約1割にあたる1万345人の外国人が暮らしており、中区、鶴見区に次いで、市内18区中3番目に多い。以前から外国人に対して生活情報をどう届けるかが課題になっていた。昨年、南区役所が来日初期の外国人向けに生活ルールをまとめた冊子を作ったが、防災に特化した情報誌の作成は南区では初めて。
災害の多さ説明
作成した「外国人のための南区防災ガイド」はA4判8ページの折り畳み式。外国人でも分かりやすい言葉で書かれ、漢字にルビが振られている。
地震について「世界で起きた地震の20・5%が日本で起きています」と説明し、外国に比べて災害が多いことを紹介。地震に備えた防災用品の準備や家具転倒防止の方法、発生時、発生後の行動についてイラスト入りで解説している。
風水害の項目では、大雨の際に出される注意報や警報の流れを説明。火災に関しては、こんろやたばこなど、市内の住宅火災の原因上位5件について注意点を紹介した。
訓練で活用も
外国人住民は自治会町内会に加入しているケースが少なく、地域の防災訓練への参加も多くない。外国籍に関係する児童が全校の半数以上を占める南吉田小学校は、寿東部連合町内会と合同で地域防災拠点の訓練を行っている。しかし、南消防署は「訓練の意味が分からない外国人も多い」と話し、今後は訓練時の配布や活用も検討する。
消防署はガイドを不動産業者など通し、外国人に渡してもらえるようにしている。外国語版や子ども用ガイドの作成も検討していく。
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