今年10月から幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法が5月10日、国会で成立した。無償化に伴う事務を担う横浜市は、実施へ向けた準備を進めており、夏休みまでにはそれぞれの施設を通じて詳細を案内する予定。保護者の不安を解消するため、5月末までに専用のコールセンターを開設する。
幼児教育・保育の無償化は、幼児教育の重要性に加え、子育てや教育の費用負担軽減を図る目的で少子化対策として実施される。
3歳児から5歳児は幼稚園や認可保育所、認定こども園で、全ての子どもの利用料を無償にする。ただし、通園送迎費、食材料費などは対象外。また、「子ども・子育て支援新制度」に移行していない幼稚園の利用料は、月額2万5700円を上限に助成。市によると、市内幼稚園で同制度に移行していない園は約6割あるという。
認可外保育施設などでは、保育の必要性が認定された3歳児から5歳児を対象に、月額3万7千円を上限に利用料を助成。私立幼稚園などでの預かり保育事業も利用料を無償にする。
0歳児〜2歳児には、市民税非課税世帯を対象に無償化。認可外保育施設などは同世帯を対象に月額4万2千円を上限に助成する。
市担当者は「年度途中で6歳になる場合や子どもが通う幼稚園が新制度に移行しているかなど、分かりづらい部分もあると思う。夏休みまでには各施設を通じて保護者に案内したい」と説明する。
市は5月末までに専用のコールセンターの開設を開設し、市のHPや広報などで案内していくとしている。
識者から懸念の声も
保育の質に関する国の検討会でも委員を務める「保育園を考える親の会」の普光院亜紀代表は「保護者にとっては待機児童の解消や保育の質向上のための保育士の待遇改善の方が切実な問題。事務作業の増える行政が各施設をしっかりチェックできるのかなど課題も多い。無償化によって良質な保育、教育が阻害されることのないようにしなければ」と指摘する。
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