大岡川沿いの桜並木をテーマにした絵本「さくらがさくと」の原画展を開く 東郷 なりささん 戸塚区在住 32歳
絵本と現実をつなぐ
○…弘明寺の大岡川沿いなど、桜並木と自然や人のつながりを描きながら「桜の華やかさと一瞬で散っていくはかなさ」を伝える絵本の原画展を開く。「自然と下町で人情あふれる南区の街並みの調和を楽しんでもらえれば」と思いを語る。「桜が満開の時だけ人々は足を止めて見ているけど、咲いている前後も私たちを見守っていると感じるんです」
○…幼少期から絵本や児童文学に親しんできた。「子どもらしいファンタジーではなく、現実的なストーリーや動物、自然が出てくるものが好きでした」。次第に本の世界を体験したいと、外に出るうちに自然に興味が沸き、大学では自然科学や環境科学を専攻。その中で絵本への道は捨て難く、ついに本格的に学ぶためイギリスの大学院に留学。帰国後、自然をテーマにした作品で絵本作家としてデビューし、これまでに5作品を世に送り出してきた。「図鑑などで勉強っぽく学ぶのではなく、ストーリーがあることで自然に親しみを持ってくれれば」
○…絵本作家であり鳥類画家。中学生の時、友人とバードウオッチングに熱中し、今でも趣味として活動している。「視覚と聴覚で生きている所が人間と似ている。観察していると考えていることが分かった気がするんです」。その思いは現実を切り取った絵本での作風にも表れている。
○…1歳の娘と夫と散歩に出かけるのが大切な時間。「外に行くとのびのびと出来るけど、いつのまにか絵本のネタ集めをしてしまいます」と照れ笑い。これからの娘の成長が楽しみだといい、「娘をテーマに書いてみてもいいかもしれないですね」。絵本を書き続けるため、子どもの頃から養われた好奇心を武器に、新たな発見の感動を作品にしたためていく。
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