4月から南消防団の団長に就任し、藍綬褒章を受章した 有賀 和彦さん 中島町在住 66歳
地域を守る強い自負
○…395人が在籍する消防団のトップに。就任直後、藍綬褒章の受章が決まった。「団の先輩たちが受章していたが、まさか今年だとは」と驚いた様子。消防団は2年連続で総務相表彰を受けるなど、全国から注目を集める存在。その中での栄誉に「『やはり南消防団だな』と言われるようにしたい」と意気込む。
○…中島町の洋装店に生まれる。父は大岡消防団(当時)で分団長を務め、「子どものころから団員が家に来て酒を飲んでいるのを見ていて、自分が入るのは自然な流れだった」と27歳で入団。父も仕事と並行して進めていた春と秋の火災予防キャンペーン、夏前からは訓練、冬は夜警--という消防団活動を自身も続けた。一線で活動しているころ、大岡の大火災に出動し、「消防隊員だけでは手が回らず、消防団が消火に協力できた」という思い出に強い自負がにじみ出る。
○…42歳で父と同じ分団長に。大目標であるポンプ操法訓練の市大会で団員を鼓舞し、優勝に導いたことも。「ほかの区の団員から『大岡ってどこだ』と言われたけどね」と笑う。団の本部長を2年、副団長を8年務めて全体像をつかんだ上でのトップ就任だ。
○…趣味はゴルフでベストスコアは75。男女3人の子どもは消防団には入っておらず「親子3代は難しいかな」と苦笑い。「南区でも特に下町らしい場所」という。周辺に店が多かったころ、「風を切って歩いていたおばちゃんもいた」と懐かしそうな表情。寿、大岡の両消防団が統合して10年の節目で巡ってきた団長の座。コロナ禍で活動が制限される中、「積み重ねを大切にし、消防署や町内会からアドバイスをいただき、新しい何かを起こしたい」と地域を守る強い決意で新たな一歩を踏み出す。
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