蒔田町の書道家・粟津紅翔(こうしょう)さん(21)=人物風土記で紹介=が、新型コロナウイルスの収束を祈願した「書」を世界から集める企画に取り組み、それを動画にしてYouTubeに投稿した。「コロナで苦しむ人々を元気付け、書道という伝統文化が国際交流のきっかけづくりになれば」と前を向く。
粟津さんは海外で書道パフォーマンスや作品展などを行い、国境を越えた国同士の交流などを目指す「国際書道教育協会」の理事長を務める。
現在は活動を自粛しているが、これまでに台湾やフランスなどに行き、日本と外国の架け橋としての役割を担ってきた。昨年11月には約80カ国の海上保安機関の責任者などが集まった会合でもパフォーマンスを行い、書道の発信に努めた。
4月10日から5月31日まで、同じく書道家の母・紅花(こうか)さん、姉・紅扇(こうせん)さんらとともにコロナ収束を願った書をSNS上に投稿し、リレー形式でつなぐ「書道チャレンジ」に取り組んだ。
書道チャレンジとは、「♯新型コロナ撲滅」といったハッシュタグを付け、次に書いてほしい人を指名して発信するもの。TwitterやFacebookには「越」「光」「自祝」など、コロナ収束に想いを込めて揮亳した作品が上がり、書道に初めて挑戦した外国人も投稿し、2千人以上が参加した。
動画は2分24秒。書道チャレンジで集まった作品と粟津さんの書道パフォーマンスを載せた。「見る人が飽きず、短時間に想いを込めたかった」と言い、気軽に見られる長さに編集した。動画に収まり切らなかった作品は国際書道教育協会のホームページに載せるなどの工夫も凝らす。
現在は新たな動画の制作を検討しており、最終的には全作品を紹介できるようにする。
日本語の面白さ発見
フランス人のファブリスさんは「コロナ禍で皆が健康に暮らし、長生きできますように」などの想いを込め、「長寿」と書いた作品を投稿した。言葉に出しながら繰り返し練習し、「長寿(ちょうじゅ)」を伸ばして発音すると「鳥獣(ちょうじゅう)」になることに気付いた。辞書で鳥獣を調べると、長寿とは全く違う意味になることに驚き、日本語の面白さを見つけたという。
粟津さんは「書道をきっかけに日本に興味を持ってもらえるのは嬉しい。皆さんの想いが込められた作品を発信していきたい」としている。
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