井土ケ谷下町の分譲マンション「下之前住宅」が助成金を活用する市の建替促進事業によって建て替えられ、6月末に完成した。同事業による建て替えは市内初。老朽化で修繕か建て替えを迫られたマンション管理組合が制度を活用したもので、市は自己負担を減らして建て替えられる同事業の普及を図る。
下之前住宅は横浜市住宅供給公社が1968年に分譲。5階建てで、1階は事務所、2階から上に住戸16戸があった。築40年以上が経過したころから、漏水などの老朽化が目立ち、耐震性の問題もあった。
住民は東日本大震災を受けて、建物を修繕して住み続けるか、建て替えるかの議論を本格化させた。管理組合は、2012年から市がマンション再生を行う管理組合に対して改修、建て替えの検討費用の一部を補助する「市マンション再生支援事業」を活用。18年6月、建て替えについて、建物解体費、共用部分の整備費などが補助される「市マンション建替促進事業」の活用を決めた。
18年12月に解体が始まり、19年4月からマンション建設工事が始まった。新たに「プロミライズ横浜井土ケ谷」の名称で、7階建て、住戸30戸に生まれ変わった。
同公社によると、下之前住宅に住んでいた人のうちの数戸がプロミライズに入居予定だという。
市は助成額を明らかにしていないが、規定では補助率は3分の2で、建物解体には最大2千万円が助成される。同事業を所管する市建築局は「この場所は民間が参入しづらい小規模マンションで、この成果を今後に活かしたい」と話す。同公社も「管理組合向けのセミナーなどで井土ケ谷の事例を紹介していく」としている。
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