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南区 人物風土記

公開日:2020.10.08

プロレスと楽器演奏を同時に楽しめる飲食店「プロレス道場」を経営する
横井 利男さん
六ツ川在住 53歳

逆境こそポジティブに

 ○…「リングロープを潜ったら、あなたもプロレスラー。そんな空間を作りたかった」--。開業以来、コアなプロレスファンに親しまれている。新型コロナウイルスの影響で経営は決して楽ではないというが、「下を向いても仕方がない。逆境に立ち向かうレスラーのように明るく振る舞いたい」と前を向く。

 ○…「一早く社会人になりたかった」と中学卒業後に大手レコード会社に就職し、営業マンとして活躍した。26歳で六ツ川にレンタルビデオ店を開業したが、しばらくは売り上げが0円の日が続いた。「会社員のころ、いかに周囲に助けられていたかが分かった」という。「変なプライドは捨て、好きなことをやろう」と奮起。プロレスのビデオを中心に並べると、客足が伸びた。ライバル店の台頭もあり、2005年にレンタルビデオ店は畳んだが、プロレスと楽器演奏を同時に楽しめるという異色の飲食店として再出発した。

 ○…誰とでも気兼ねなく話せる印象だが、幼少期は引っ込み思案だったという。そんな内気な性格を変えたのがプロレス。「体の大きい外国人選手にも一切臆さず、やられても何度も立ち上がるアントニオ猪木のたくましさに魅了された」と当時を振り返り、困難を乗り越える原点だとも。

 ○…小学生のころにライブを見て以来、矢沢永吉さんの大ファン。自身も仕事などを通じて知り合った仲間とバンド活動に励む。「猪木と永ちゃんは自分にとって永遠の大スター。人に勇気と感動を与える『芸術』という名のプロレスと音楽でまちを元気付けたい」と思いが強い。店内に飾る試合のポスターは2020年3月から時が止まったまま。「コロナ禍で苦しい日々が続くが前を向き、今、この時代を精一杯生きたい」

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