市立横浜商業高校(Y校)の笹川吉康さん(3年)が10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスから2位指名を受けた。同校から直接プロ入りとなれば、37年ぶりの快挙となる。笹川さんは「皆さんの期待に応えられるよう、一日でも早く試合に出て活躍したい」と力強く話す。
ドラフト当日、笹川さんは同校でチームメイトと一緒にテレビで行方を見守り、名前が呼ばれた瞬間、自然と笑みがこぼれた。同校在学中選手のドラフト指名は、1983年の三浦将明さん(中日ドラゴンズ、3位)以来、37年ぶり。
高校通算40本塁打
笹川さんは身長193cm、体重86kgの外野手で左投げ左打ち。恵まれた体格を生かした豪快なスイングが特長で高校通算40本塁打を記録。投手としては球速140キロを超えるボールを投げる”二刀流”として活躍。50mを6秒2で走る俊足もホークススカウトから高い評価を受けた。
今シーズンのパ・リーグを制したホークスの印象については「千賀選手や甲斐選手など、育成契約から活躍する選手も多く、レギュラー争いが激しいチーム」と話し、目標の選手は同じ左打ちの柳田悠岐選手と王貞治球団会長だという。「自分も長打力が武器。積極的なスイングでホームランを量産したい」と思いを語り、プロでは野手一本で勝負する。
体重増加でプロ意識
小学3年で野球を始め、中学では硬式野球チーム「中本牧リトルシニア」=中区=でプレー。強豪私立高からスカウトされたが「地元の公立高校で甲子園を目指したい」と西区の自宅から通える古豪のY校に進学した。
父・昇一さんによると、高校入学時は身長188cmに対し、体重は68kgで体の線が細かったという。昇一さんお手製の肉料理と地道な筋力トレーニングの成果もあり、2年半で約20kgの増量に成功。夏頃まで大学進学も考えたというが「一早くプロの世界に飛び込み活躍したい」とプロ志望届を提出した。
古豪復活へ前進
1997年春から甲子園出場が遠のいているY校硬式野球部だが、夏の県大会はこの3年間、連続でベスト16に進出。近年は笹川さんのように大きな目標を持って入部する選手も多く、強豪私学とも互角に渡り合う。
古豪復活の足掛かりにしようと、同部OB会は地元の小学生を対象に野球教室を行うなどしている。OB会長の長谷部淳一さんは「学校の協力もあり、強いY校に戻りつつある」と話し、久々のプロ選手誕生を追い風に完全復活に力を注ぐ。
笹川さんは「Y校でプロを目指す地元の子どもが増えるよう、活躍して彼らの道しるべになりたい」と意気込んでいる。
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