横浜商業高校(Y校)野球部出身で競輪のトップレーサー・郡司浩平選手(30)が12月30日に平塚競輪場で行われる「KEIRINグランプリ2020」(GP)に出場する。約2200人いる競輪選手の中から成績上位の9人だけが出られ、その年のナンバー1を決める優勝賞金1億円の特別なレース。「地元・神奈川のレースだけに勝たなければいけない」と語り、競輪界の頂点を目指す。
郡司選手は栄区出身。小学生から野球を始め、Y校では3年時に外野手のレギュラーとして県大会ベスト8進出に貢献。卒業後に父・盛夫さんと同じ競輪選手の道へ。
川崎競輪場所属で2011年にデビュー。13年にトップ選手が集まる「S級」に昇格後、自ら勝負を仕掛ける「自力」と呼ばれるスタイルを確立し、一流選手に。
17年に最上位格のGIレースに次ぐGIIレースで優勝し、その年のGIレースの優勝者と獲得賞金上位の9人によって争われるGP出場が視野に入った。その年のGPは平塚開催。地元で行われる大一番目指したが、夏場以降の成績が伸びず、次点で出場を逃した。
昨年は6月に落車して鎖骨を骨折。2カ月間の休養を余儀なくされ、GP出場は厳しいと思われたが、復帰後に優勝を重ね、9月に2度目のGII制覇。獲得賞金約6800万円の8位で悲願のGP初出場を決めた。東京・立川競輪場で行われたGP。「フワフワした気持ちの中で終わってしまった」と上位争いに絡めないまま5着に終わり、悔いが残った。
GP出場の9人は翌年1年間は「S級S班」と呼ばれる最上位にランクされ、赤のレーサーパンツを履いて走る特別な存在。しかし、1月のレースで鎖骨を骨折。約1カ月で復帰したが「力を入れられず、力まないようにした」ことが良い結果につながった。
上り調子でGI制覇
夏場から調子を上げ、賞金を積み上げた。GP前最後のGIレースとなる11月の「競輪祭」では4戦3勝で決勝へ進み、2番手から早めに抜け出すレースでGI初Vと同時にGP出場を決めた。Y校野球部時代の仲間はもちろん、これまで連絡が途絶えていた知人からもGI優勝を祝福する連絡が相次いだという。
後輩の刺激受け
「周りからの評価も変わり、気が引き締まった1年で、レースに臨む考え方も変わった」という郡司選手。新型コロナウイルスの影響でレースが中止になったり、無観客開催の時期もあった。「ファンの声援があって、その期待に応えることに喜びがある」と語る。10月にはY校野球部の笹川吉康さん(3年)がソフトバンクからドラフト指名を受けた。Y校在籍時の指名は37年ぶり。笹川さんと面識はないが「ぜひ上を目指してほしい」と”Y校魂”で後輩にエールを送る。
3年前は出場にあと一歩届かなかった地元のGP。「調子はいい。地元で行われることもあり、勝たなければいけない」と大一番への覚悟を語り、全力を出し切っての優勝へ突き進む。
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