119番通報を受け、救急現場に医師や看護師を派遣する「ドクターカー」の配備が横浜市内で進んでいる。2017年に導入した横浜医療センター=戸塚区=や市民総合医療センター=南区浦舟町=、済生会横浜市東部病院=鶴見区=に続き、昨年10月から市民病院併設の救急ワークステーション=神奈川区=で試行運用が始まった。
ドクターカーとは、救急現場などで医師による現場での処置が必要と判断された場合に消防からの要請で出場する緊急自動車。脳卒中や心筋梗塞などの重症内科疾患、交通事故などの重傷外傷、心肺停止を含む現場での早期治療介入が必要な場合に、救急車と同時か、その後に医師、看護師らを派遣。救急現場で医師が救急救命士ではできない医療処置を行うことで救急患者の病状を安定化させ、重症化の防止を図る。また、症状に応じた最適な医療機関へとつなげる役割も果たす。
導入の背景は、高齢化による高齢者を中心とした救急需要の増加だ。高齢者は複数・慢性疾患を抱えている人が多い。救急救命士ではなく、医師が搬送先を判断することで、高度急性期医療機関に搬送していた患者を急性期医療機関に運ぶことができる。これにより搬送の集中が避けられる。
「たらい回し」減少へ
17年から病院独自のドクターカーを導入している横浜医療センターは戸塚区、栄区、泉区を中心に運用。同病院の担当者は「救急患者の『たらい回し』がなくなりスムーズに適切な医療機関への搬送が可能になった」と有用性を説明する。
2カ月で89件の出場があった救急ワークステーションでは現在、神奈川区周辺を中心に1台で試行運用を行っている。今後は、出場範囲の拡大が課題となる。救急現場が遠方の場合、出場に時間がかかることが考えられるためだ。
横浜市医療局の担当者は「台数を増やしたほうがいいのか、また別の方法があるのかなど、この試行運用でシステム全体の検証をしていきたい」としている。
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