市立日枝小学校(住田昌治校長)の2年生が大岡川の浄化や生物の定着へ向けた取り組みを進めている。児童はすみかとなる手作りの竹の”家”を蒔田公園親水広場付近に設置。エビやカニがすみ着くかを観察しながら、川や生物、環境について考えている。
2年4組の児童30人は、近隣の大岡川にクラゲやエイが生息することを知り、川や生物に関心を持ち始めた。昨年6月から授業を通じて川の観察を続け、多くの生物が暮らせるにはどうすれば良いかを考える中で、川の環境に意識が向くようになった。
児童は川の生物の生態を調べたり、八景島シーパラダイスの飼育員に質問をするなどして、知識を深めてきた。さらに教室を水族館に見立て、各自が川で見つけた生物を教室で飼育。エサのやり方や真水では生きられない生物がいることを知り、適切な塩分濃度の設定法なども学んだ。
エビ・カニの居場所
その中で過去にも同校で川の生物について児童にアドバイスした経験がある水中写真家でNPO法人「海の森・山の森事務局」理事長の豊田直之さんに協力を依頼。環境保全活動に取り組む豊田さんは2018年、大岡川の状況を知ってもらおうと、川に不法投棄されていた自転車を引き揚げた。その際、自転車に多くのエビやカニが付着しているのを確認。豊田さんは「自転車を回収することで、エビやカニは”家”を失うことになる」と考えた。児童は豊田さんの話を聞き、生物が大岡川で生息できる場所を作ろうと考えた。
児童は校内にあった竹を切り出し、それを組んで生き物が中に入れるような”家”を作った。それを昨年12月24日、蒔田公園親水広場そばに5個設置。豊田さんが児童の意見を聞きながら、水中に置いた。生物がいるかどうかは、1月下旬に豊田さんが竹の中を撮影して確認する予定。
男子児童は「今まで大岡川にカニがいるとは知らなかった。ごみがないきれいな川にして、生き物が多く集まるようにしたい」と話し、女子児童は「家でも生き物を飼うようになった」と生物に興味を持ったという。
豊田さんは「最初は2年生には難しい話だと思ったが、想像以上の取り組みに驚いた」と話す。担任の前園兼作教諭は「アイデアを出し、それを行動に移す姿が頼もしく見える」と授業を通して児童が大きく成長したという。「生物が竹の中に定着するか分からないが、その結果から学んでほしい」としていた。
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